「…わかった。真昼は…あんまり避けないように努力する。」
裕太が目に見えて落ち込んでいるのがわかった。
きっと、恵が色々言ったせいだ。
「うん、努力して……いやでも、いつも通りでいいんだけど。」
「…うん、」
そして、裕太が息を吐いた。
「俺が、恵とか隼人も『真昼』って呼んでるのが気にくわない、って言ったらどうする?」
恵は目を見開いた。
これは、噂の───
しかし裕太はそんなことには気づかず、へらりと笑って立ち上がった。
「なんてな。まぁ恵、ありがとな。頑張るわ。」
「あ、おう。」
お先に、と言って自転車で去っていった裕太を、
恵はしばらく見ていた。