今度こそ、裕太は固まった。



「真昼は鈍感すぎか、テンパりすぎ。お前もあからさまに避けるのはやめろ。練習に支障が出る。」



恵の視線がきつくなったような気がした。



「それに、中間テストどうすんの?クラス違うんだから、真昼に教えてもらわないと。」



裕太はスッとうつ向いて、呟いた。



「お前さ、結構長く一緒にいるじゃん。」



「……は?」



「…それでさ、俺が誰かを…好きになったことって、ある?」



恵は裕太を見た。


そして考える。



「…ない。真昼が初めて。」



「そうだろ?」



裕太は恵を見た。



恵も、裕太を見ていた。




そして、ため息をつく。



「…わかった。テスト勉強は集まってやろう。ただし、裕太ん家で。」