「…………。」
「…………。」
裕太と真昼の間に、沈黙が訪れた。
「あの…さ、」
裕太が口を開いた。
同時に、ドアの前で足を止める。
「な、何……?」
真昼が裕太を見上げてくる。
なんだか少し心配そうな、気を使っているような表情だった。
「…いや、中間テスト…山とかはってくれたら助かるんだけど。」
そんな真昼につられてか、裕太も呟くようにそう言った。
すると不意に、真昼がプッと吹き出した。
可愛いと思ってしまう自分がにくい。
「それもう勉強する気ないよね?まぁいいや、はってあげる。」
真昼はクスリと笑いながら、教室に入ってしまった。
なんだか、いつもと雰囲気が同じだったような……
裕太はそう思いながら、後を追うように教室に入った。