余裕を持ち始めた真昼は、間奏に入るとチラリと裕太を見た。
偶然、裕太と目が合う。
ニコッと笑いかけると、ニヤッと笑って返された。
なんだかその顔が必要以上にかっこよく見えて───
真昼ははにかみながら笑い、また、マイクに口を近づけた。
あぁ、さっきの──裕太と演奏してるの、楽しいなぁ……───
真昼は歌いながら演奏しながら、
さっき気づいた小さな感情を持て余した。
真昼はそんなことを考えていても実質ノリノリで、
すでに“crazy worldの世界”に多くの者を引き込んでいた。
裕太のギターも隼人のベースも、恵のドラムだってその世界観を作り出していた。
彼らは、“crazy worldの音”を作っていた───