真昼はギターを構えマイクを触り、舞台から下を見渡した。
審査員は真ん中辺りで椅子と机を構えている。
数は8。
そして一番後ろにも実行委員が6名。
真昼は息を吐いた。
ここで、自分は歌う。
後ろのみんなと音を奏でる。
いつも通り。
あのときみたいに。
真昼はもう一度、息を吸う。
思い出せ。
あの、青空で歌った日を……───
真昼は軽く振り返り、ドラムに座る恵にサインを出した。
人差し指と親指を立て、裏と表を交互に見せるように振る。
「チェンジ」の合図でもあった。
切り替えろ。
今からやるぞ、
恵がいつも通り、カウントを取った。