確かに、恵がそういうキャラじゃないことくらい、全員が知っている。
「じゃあ、裕太がやりなよ、頑張って。」
隼人はクスクスと笑いながら言った。
「はい、どーぞー」
真昼も満面の笑みである。
「えー…まぁいっか。」
裕太が息を吐いた。
全員が裕太を見つめる。
「えーっと、今日は一次審査です。放課後の本番に向けて、しっかりと過ごしてください。いくぞ!」
「「「「crazy world!!!」」」」
4つの手が、空高く掲げられた。
「うん、いいんじゃない?」
先に口を開いたのは真昼だった。
「敬語にはなるよね、うん。」
隼人は相変わらず笑っている。
「じゃあ各自作業に戻って、」
「了解ー」
それぞれの位置に戻った4人の頬は、緩みきっていた。