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この前の手紙の件といい屋上の件といい、裕太と真昼はお互いを意識しまくっていた。
だがなぜか、話し出すとそんなのは気にならないらしい。
気が合うというやつだろう。
だが、そんな2人でも、一次審査が1週間後に迫っていることは知っていた───
ので、ただ今4人でスタジオで練習中である。
「ごめん恵、さっきのとこもう1回お願いできる?」
「うん、わかった。」
恵がリズムを取り始めると、イヤホンを外した真昼がギターを弾き始めた。
小さく息を吸い、歌い始める。
全体で合わせるときとは違い、マイクも使わないで小さめに歌っている。
それでもよく通るのは、真昼の声だからだ。
「────あ、……うわー…」
すると、真昼が顔をしかめた。
歌詞を間違えたからだ。