そろそろチャイムが鳴りそうだったので、生徒が教室に入り始めた。
なのでチラリと後ろを振り返って、裕太は視線に気づいた。
それは男女問わず、「好奇心」の目だというのがわかった。
自分と真昼のことかもしれない───
裕太は一瞬そう考えてから、他の3人を見た。
──いや、違うよな…
裕太はそう思ってから、真昼に声をかけた。
「真昼、チャイム鳴りそうだから戻ろうぜ。」
「あぁ、うん。じゃあねー」
真昼はうなずき、恵たちに手を振った。
そして、くるりと踵を返し……一瞬、固まった。
そして、チラリと裕太を見てから、歩き出した。
真昼も気づいたんだろう。
そのまま2人は無言で、教室に戻った。