昼休み、2人は駆け足で隣のクラスに向かった。
朝言われたことなど、もう2人の頭にはなかった。
「隼人ー、恵ー!」
裕太が叫び、真昼が顔を覗かせると、ほとんどの人が入り口を見た。
だが、慣れているので気にしない。
しかし、やってきたのは隼人だけだった。
「あぁ、やっほー。ごめんね、恵は今呼び出されてる。」
その瞬間、2人はフリーズした。
朝の裕太状態だ。
と、そこまで思い出して───
2人は朝のことを、思い出した。
「あー……っと、恵って、モテるんだね。」
真昼が気まずそうにそう言った。
だが、隼人は真昼の口調なんて気にしない。
「ん?あぁ、そうかもねー。中学でもよくあったよな、恵。」
隼人が裕太にふると、裕太はぼーっとしていたのか、弾かれたように顔を上げた。