「……ん、じゃあ、やるわ。」
裕太が無邪気に笑うと、真昼も笑い返した。
また、恵がカウントをとる。
そして、真昼が息を吸うと同時に──
裕太の手も、動いた。
真昼が英語の発音を完璧にこなしてゆく。
裕太のギターともぴったりだ。
そして、小さく小さく、ドラムが存在を表してくる。
そして────
ドンッと、ドラムとベースが入ってきて、一気に賑やかになった。
ああ、この瞬間が好きだなあ……
真昼はそう思いながら、また、息を吸った。
終わった頃には、4人は息を切らしていた。
それでも真昼の声がぶれなかったのは、もちろん本人の技術だろう。