そのまま4人は「当たり前」と言うかのように、1曲をやりきった。
すると、真昼が真っ先に動いた。
キラキラとした満足感でいっぱいの顔を、振り向かせる。
「ねぇ、バスケット・ケースやろう!」
「え……?」
恵が小さく驚きを漏らした。
だが、それをかき消すように、裕太が声をあげる。
「いいよ、やろう!なぁ?」
うずうずしてしょうがないのだ。
この気持ちを1曲で終わらすだなんて勿体ないことはできない。
裕太は恵と隼人を見た。
恵は呆れたように、隼人は微笑みながら、うなずいた。
それを見て真昼は、ギターに手をかけた。
「うちはギター使わない。裕太がやってよ。」
裕太が真昼を見る。
だがそこには、遠慮のない笑みが浮かんでいた。