そのとき、チャイムがなった。


予鈴だ。




なんてグッドタイミング。



2人は同時に思った。




「か、帰るか……ほら。」



裕太は立ち上がると、真昼に手を差し出した。



「う、ん…ありがと…」




真昼はためらいがちに裕太の手を掴み、立ち上がった。




そこで、ふと、空を見上げる。




もうすぐ梅雨が来るのに。


空は素晴らしく晴れていた。




「裕太……」



真昼はまだ握っていた手に、力を込めた。



「ん?」



「ここで…空の下で、1回やってみたいね。」



裕太も真昼につられて、空を見上げた。




「ん、あぁ…そうだな…。気持ちいいだろうな…」




裕太はそこまで言って、バッと真昼を見た。