───……
「聞いたか?今年の応募者過去最多だってさ。」
「あぁ、誰かに聞いた。」
朝、裕太と真昼はそんな会話から始めた。
まだ席替えが来ないから、裕太と真昼は隣の席だ。
ちなみに真昼が窓側である。
「一次審査ってどんな感じ?」
真昼が首をかしげた。
「俺らは去年参加してないからわかんないなぁ……あ、兄ちゃんの話でいい?」
「いいよ。てか裕太の兄ちゃんここ出身?バンドやってたの?」
「あぁ、そう。恵の兄ちゃん…遥さんと一緒に。」
真昼が小さく「あぁ」と言った。
もうすでに何回か行っているからだろう。
「で、弟くんたちも一緒にバンドやってるの?すごくない?」
「あぁ、まあね。でも俺の兄ちゃんのが遥さんより2つ下。」