すると恵が、渋々、といった感じで立ち上がった。



ドラムセットにどっしりと座り、一定のタイミングで打ち始める。



ああ、そろそろだ。




気づいたら、裕太はギターを持って立ち上がっていた。



ふと隼人を見ると、もうやる気満々だった。




裕太はどこからか沸いてくるウズウズに、思わずニヤリと笑った。



なんだこれ。


まだ入ってもいないのに、めっちゃ楽しい。




──……そして



恵が万を期したように、絶妙なタイミングでドラムを打った。




ああ、こっからだ。


こっから、盛り上がるんだ。