裕太たちが演奏したのは1番だけ。
時間にしたら、1分半くらいだ。
なのに真昼には、そうとう長く感じられた。
まるで、アメリカでライブに行ったときのような圧倒のされ方だった。
「梶谷、どうだった?」
気づいたら演奏が終わっていた。
あ、拍手し忘れた。
真昼は慌てて、勢いよく手を叩いた。
そして、まだ興奮が冷めない心を持て余しながら、口を開く。
「よかった!選曲も初っぱなからインパクトあるし、歌下手でも勢いでなんとかなるやつだったし!
でも裕太たちのは勢いだけじゃなくって、なんていうのか……」
真昼は1回言葉に詰まってから、裕太たちが呆然と自分を見ていることに気づいた。