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「んじゃ早速、よろしくね。」
ただっ広いスタジオにあるのは、
壁一面に貼られた鏡と窓、ドラム、各々のアンプやらギターケースだけだった。
そこに丸イスを持ってきて、前のめりになって座っているのは真昼である。
裕太と隼人はギターを構え、恵はスティックを構えている。
「曲は?なにやるの?」
真昼はよく響く声でそう言ってきた。
好奇心丸出しだ。
裕太は少しだけ顔をしかめてから、ニヤリと笑った。
「まあとりあえず、聴いててよ。」
3人はアイコンタクトをした。
──そして、恵がスティックを、勢いよく振りかざした。