裕太ははじめ、意味がわからず首をかしげていた。
だが真昼は遠くから見ても苛立っているとわかる表情を一瞬して、
目でコンビニのある方向を見た。
さすがにそれだけやられれば、裕太でもわかった。
真昼は幸い、周りに渋られているらしい。
裕太はすぐにペダルを踏んで、方向転換した。
しばらくしてからコンビニに現れた真昼は、息を切らしていた。
「誰か追っかけてくる気がするから、早く出して。」
そう言いながら、裕太の後ろに遠慮なく座る。
「あ、あぁ…」
多少面食らいながらも、裕太はペダルを強く踏んだ。
女子が後ろに乗っていると、とても2人乗りとは感じられなかった。