恵は水を飲み干すと、もの足りなさそうに空になったペットボトルを振った。
そして、裕太を見る。
「裕太は、ボーカルとギターどっちをやりたいわけ?」
裕太はまだある水を見つめながら、しばらく考え込んだ。
「んー…やっぱ俺は、ギターが好きなんだけど。」
「んじゃあゆうちんはギターやって、ボーカルは探せばいいんじゃないかな?」
隼人はギターの弦を無造作に弾きながら呟いた。
「ん、明日は始業式だし。クラス替えもあるからさ、各々声かけてみればいいよ。」
恵はそう言いながら、時計を見た。
このスタジオが使える時間がもうすぐで来る。
つられて、裕太と隼人も時計を見た。