「原点…ねぇ……」
裕太は天井を見上げながら息を吐いた。
「原点って…3人で、ってこと?」
恵も少し気が抜けたようだった。
まあ、この3人でいるとそんな感じだが。
「んー…真昼は意外と意味深だからねぇ。」
隼人は苦笑気味だ。
「じゃあまぁ、真昼もバンド仲間と会うから多分やるんだろうし……時間もないしね。ちょっと…やる?」
恵がニヤリと笑った。
ちょっとだけ、久しぶりだから楽しみなんだろう。
それは誰だって同じだが。
「じゃあやろっか?曲はどうする?」
「あれだろ、あれ。」
マイクの準備をしながら裕太は2人を見る。
「ほら、よくやってたじゃん。」
それだけ言えば伝わる仲だったと、今更ながらに思い出した。