「会いたいんでしょ?なら、行ってきなよ。」
その言葉に、真昼はパッと顔を上げる。
やはり、とても嬉しそうな顔をしていた。
「い、いいの?」
「いいって、大丈夫。曲も決まったし……会う人たち、バンド仲間だろ?なら、何か収穫してきなよ。」
真昼が少し目を見開いた。
裕太と隼人も恵を見る。
やはり、恐ろしく優秀な観察眼を持っているようだった。
「じゃあ…行ってくるね。裕太たちも、原点に戻ってみるといいよ。わたしも…ちょっと、戻ってくるから。」
真昼はリュックを背負ってから、そう言った。
その目には強い意志が込められている。
「おう……わかった。」
裕太がそれだけ呟くと、手を振ってからスタジオを出ていった。