しばらくしてら、真昼が「あっ」と声をあげて立ち上がった。
他の3人はすることもなく、真昼の影を追う。
すると真昼は、意外なほど嬉しそうな声を出した。
「え、わ、っ──嘘!」
「真昼…どうした?」
裕太が恐る恐る訊ねると、真昼はすぐに振り向いた。
「あ、いや、あの…──アメリカの友達が、早めの夏休みでこっち来てるってメールが来ててっ」
こんなに嬉しそうな、それを待っていたかのような顔は、初めて見た。
裕太の中に、もやもやとしたものが小さく広がる。
「それで、なんかこの近く来てるらしいんだ…!…あのー……」
真昼は不意に、目を伏せた。
その様子を悟った恵が、クスリと笑った。