「んー…やっぱ、あれか。」
「あれだねぇ……」
「あれっていうと?」
演奏終了直後の恵と真昼の呟きに、隼人が首をかしげた。
「んー…だからさ、インパクトだろ?」
裕太も珍しく考え込んでいる。
「そー…なんだよ。やっぱ裕太でもわかるか。」
「でもってなんだ、でもって!」
「まあまあ。んー…413がいるからには、あれが一番印象強いんだよなぁ」
恵は考えを投げ出すように上を見た。
そこにあるのは白い板ばかりである。
「あと一週間、か…」
真昼が誰にともなく呟いた。
それに、全員が黙りこんだ。
今までが上手くいきすぎていたために、解決法がすぐに見当たらない。
それに、残された時間も少ないのだ。
そのとき、携帯のバイブの音が沈黙を破った。