「いいよ、それで。それで認めてくれたら入ってくれるわけでしょ?」



どうやら裕太側には話が素早く飲み込めるのが恵だけらしい。



大概、こういう交渉事は恵がやっていた。




「スタジオは今から多分とれるし。今日でいいかな?」



真昼はニコッと笑った。



「うん、いいよ。」



その返事を聞いて、恵は携帯を取り出した。



きっと兄の遥に電話をかけるのだろう。




その間に、裕太は真昼を見た。



「転校初日に悪いな。」



「いや、大丈夫だよ。どうせこっちでもギターやりたかったし。」



そう答えた真昼はまんざらでもなさそうだ。