「やっぱボーカルいるかぁ?」



涼宮 裕太がギターを下ろしながら呟いた。



つられて、川辺 隼人もベースを下ろす。



「んー…ゆうちんが歌うんじゃあだめかな?恵はどう思う?」



隼人が話を振ったのはドラムに居座る柴崎 恵である。



「まあいいんだけど…やっぱさ、ちょっと音が割れるっていうのか…」



「確かに、歌いながらギターやんのは辛いな。もう1人ギターが欲しいくらいだ。」



裕太は顔をしかめた。



そのまま、ペットボトルを掴む。



恵は立ち上がり、同じようにペットボトルを掴んだ。