そして、その日の放課後。





花菜は穂波と校門で分かれ、淳平が迎えに来るのを待っていた。
しばらく待っていると、1台の車が花菜の前に止まった。








「花菜様、お帰りなさいませ」

「!」

「…どうかされました?」

「えっ…いえ…」

「そうですか。それでは、お乗りください」








普段の口調は違えど、その姿は淳平そのもの。
花菜はいつもの淳平の様子と異なり、驚きを隠せず、困っていた。



そんな花菜の様子に気付いてながらも、淳平は淳平の仕事を全うにこなしていた。




淳平は、花菜の事を後部座席に座らせるとドアを閉め、運転席に回った。