「花菜?どうした?」 「…何だか緊張しちゃって…。こんなに緊張するんだね。手が震えちゃう」 「落ち着いてからゆっくり書けば良い」 「うん…」 花菜の目にはうっすらと涙が浮かんでいた。 それから手の震えが落ち着くと、花菜は婚姻届に書き始めた。 「できた」 「……」 「…奏くん?どうかしたの?」 花菜は奏大の様子がおかしいことに気付き、奏大に声を掛けた。 すると、奏大はいきなり花菜の事を抱き締めた。