それからしばらくすると、何も知らない創と淳平が病室に入ってきた。








「えっ……花菜ちん!?」

「おはよう」

「いつ、目が覚めたんだ?」

「昨日の夜にね」

「…花菜…記憶は?」

「大丈夫だよ。…ねぇ、淳くん」

「「っ!」」








花菜の言葉に、創も淳平も驚きを隠せなかった。
『淳くん』という呼び名は、花菜が昔、記憶を無くす前の呼び方であり、奏大の専属運転手として再会してからは、ずっと苗字で呼んでいた花菜。
何故、その名前で花菜が呼ぶのか理解できず、戸惑っていた。
そんな2人を余所に、花菜は話始めた。