「どうしよう…。私、奏兄に悪いことしちゃった。そんなに花菜の事を思っている人が浮気なんてしないよね」

「穂波…。大丈夫、兄貴だってわかってくれるさ」

「だと良いんだけど…。奏兄、何考えているかわかんないんだもん…」

「プッ…お前、相変わらず奏兄の事苦手なのな…」

「だって~…」

「まぁ、奏大の愛情は全て花菜ちんに注がれているからね~」

「花菜…早く目を覚まさないかな?早く教えてあげたい。奏兄と政略結婚なんかじゃないんだよって…」

「そうだな…」








その日は目を覚ますことなく、時間だけが過ぎていった。