「だけど、奏大も凄いよな。記憶がない花菜ちんに、昔の約束を守ったんだから…。まさしく愛だよね~」
「昔の約束?」
「花菜が16才になったら結婚するっていう約束をしていたんだ」
「えっ…何それ…」
「ビックリだろ?…でも、奏大は本気だったんだ。当時まだ3才だった花菜ちんに本気で惚れていたんだ」
「じゃぁ、2人は…」
「政略結婚なんかじゃないんだ。とはいえ、花菜ちんには記憶がない事だから、奏大も辛いだろうけどね…」
そう言いながら淳平は、ベッドに寝ている花菜の事を見ていた。
穂波は兄である奏大の思いを感じ、先日叩いてしまったことを悔やんでいた。