―――女は柏木さんだった。









男は―――見間違えるはずがない。


あの薄茶色の髪の毛。




紛れも無く、それは神藤くんだった。







神藤くんが柏木さんの首筋にキスをしていた。














「おい、なんで昨日先に帰ったんだ?」



翌日、教室に着くなり神藤くんに呼び止められた。



あたし達は秘密の関係だから、普段教室では話をあまりしない。



そんなあたしに神藤くんが声をかけたことで、クラスの視線があたしに集中していた。