クラスは全員で40人。

なかなか自分の番がこないので、
時間が経つにつれ、睡魔が緊張感を追い抜いた。


あくびをしながら前に出てくるクラスメイト一人一人を眺めていた。ーーー





すると、西郷が声をかけた。
「じゃあ次!矢樹!よろしく!」





ガタンッ


勢いよく音をたて、無言で立ち上がったのは、

私の前の席の男子だった。


切れ長の目元、肌はこんがり焼けていて、かなりの長身。日光で焼けたような焦げ茶の髪色にさっぱりとした短髪が運動部であることを予想させる。

「なんか地味そう。普通。」

最初はそんな印象だった。

だけどこれが、貴方との出会い。ーーーーー





矢樹の自己紹介が始まった。