その数分後、わたしも教室を後にした。






わたしはそれから帰っている時も、家にいる時も、
友達が出来るかどうかの不安より、不意に矢樹のことを考えていた。



でも、ただ、地味で普通だし、どんな奴なんだろうって意味で気になるだけ、だから、恋愛感情とか、そういうのは、絶対に、ないんだ。きっとここまで考えてしまうのも、高校入学して初めて会話したのがたまたま、あいつだったからなんだ。

と、言い聞かせていた。