好きや、紫衣。
お前が俺のもんやないと
寝られへんようにまでなってんやな、俺…。
切なさで、泣きそうになる。
紫衣…
何があかんかったん?
俺、嫌われるようなことしたか?
片瀬、やったっけ?
そんなやつ見とらんで、もっと俺見てーや。
押し付けた目に温かさを感じて顔をあげると
少ししみになった枕が目に入る。
…今、何時やろ。
時計を見ると、12時前。
…もう、一年か。
これだけは、許してくれ。
一年の節目に、お前と繋がってないなんて耐えられへん…。
アホ紫衣。
「頼むから余所見なんかすんなや…!」
一緒におるやつは、紫衣以外考えられへん。
ちゃんと送れたことに安心して
瞑るだけマシやろうと目を閉じた。
紫衣…。
また呼んでや、可愛い声で、花が咲いたような笑顔で
「かおるさんっ」
って…。