かおるさんの元カノ
元カノ…。綺麗な人なのかな。
あたしよりずっと大人な人?
「かおるから何か聞いたの?」
「いえ…ただ、かおるさんがあたしのこと好きじゃなくなったの、何でかなって。」
「は…?かおるが?え、ちょっと待って、かおるがそう言ったの!?」
立ち上がったあたしを慌てて引き止めるリュウさん。
言われてはない。でも…
「言われたも同然の姿を見たんです。そっか、元カノさんと寄り戻したかったのか…。」
「ちょっと待ってよ紫衣ちゃん!なんかおかしいよ…?!」
「おかしくないです。全部繋がりました。あたし…帰りますね。」
掴まれそうになった手でカバンを持ちドアに手をかけた。
振り向くと、とっても焦ってた顔が目に入る。
「リュウさんには…関係ないことです。あたし達の問題ですから、お構いなく。」
あたし、性格悪い…
なんであんな焦ってるんだろ?
…ああ、選択肢は、別れだけじゃないもんね。
浮気…。
その可能性だっていくらでもある。
あくまでも、リュウさんはかおるさんの親友だもん。
「…ありがとう、ございました。」
もう、会わないかもしれない。
そんな思いを込めて、控え室から抜け出した。