ーガチャ…




「…リュウさん?」



「あ、れ?

…紫衣ちゃんじゃん!!どしたのっ?かおるなら向こうに居なかった?」



パソコンに向かっていたリュウさん。かおるさんはこういう作業苦手だもんね…。




「あ、いや、かおるさんには会いました。今日は…リュウさんに相談が。」




「え、俺…?とりあえず座りなよー。」




リュウさんから少し離れたソファに腰掛ける。



何て言えばいいんだろ。



かおるさんってあたしのこと嫌いなんですか?



いや、なんか変…



かおるさん、変わったことありました?





………。



「…ん?どうしたの?」




いつまでも押し黙ったままのあたしを不思議に思ったのか完全に作業をやめて隣に座った。





「…ふぇ…っ…!!」






最悪。



最悪最悪最悪。





撫でてくれる手が優しくて




人の暖かさにまた涙が零れる。





さっき、かおるさんの前で頑張って泣かなかったから




余計に、我慢出来なかった。









「…よしよし。泣くだけ泣いたら話してくれればいいよ。」








そうだ。リュウさんはこういう人だった。



友達の彼女なだけのあたしに、いつもいつも優しいんだ。