「ネット!?しかも年下?」

なんとも言えない表情の正美。

やっぱり、予想通りの反応…。


「おかしいかな…?」

「いや別におかしくはないと思うけど…でもまだ相手の顔も声も知らないんだよね?」

「うん…」

「それでほんとに好きって言えるの?」

「それは…」

正美の言葉は正論だと思う。


顔も知らない、声も知らない、なんにも知らない。

相手はまだ知り合って間もない、4歳年下の高校生の男の子。

しかもそれはネットの世界の話。


…だけど、私にとってはちゃんと現実で。

文字だけの会話なのに、どうしてこんなに惹かれるのだろう…。

自分でも不思議だなって思う。

タクヤと話してると、楽しくて楽しくて…。


「…好きだよ」

私ははっきりと、正美にそう告げた。

今タクヤを好きな気持ちに、嘘はないから。


「そっか…でもネット恋愛かぁ」

大きな溜め息をつく正美。