ばか騒ぎをしながらが、歩いていると



「……なんか、あったのか?」

「いや、普段通り」

「ふ~ん…じゃあエロい事考えてた顔なんだ」

「お前とちげぇよ」

ノエルは「なんかあったら言えよな」と呟いて学校の門をくぐった。

ノエルとは保育所の幼児組からずっと一緒だった。最初は自分と周りいる友達と容姿の違う奴がいるんだなーと思う程度だった。
年長になった時俺はクラスで好きな女の子ができた。とても笑顔が可愛いくて、いつもリボンで二つ結びをしていた"瑠奈ちゃん"だ。クラスの男の子の中で一番俺と仲良かったこともあり、瑠奈ちゃんに告白する事にした。


俺は瑠奈ちゃんをシーソーに呼び出した。遊び時間になるとみんなはブランコや三輪車に夢中になってるからシーソーは穴場なのだ。
瑠奈ちゃんがどうしたの~なんて可愛い笑顔で俺の隣にやってきた。最初はシーソーに乗りながら少し楽しんだ所で、


「あのさ、俺瑠奈ちゃんが好き。付き合ってよ」 俺は人生初の告白をした。自信はかなりあった。保育所の中でもカッコイイと言われていたし、先生からも『将来はモデルさんかなー』なんて言われてたし、頭もそこそこ良かった。だから焦りはなかった。

しかし瑠奈ちゃんからは衝撃的な発言だった。

「直樹くんのこと好きだよ、

でも王子くんのほうがもっとだいすきなの!」

俺は頭の中が真っ白になり、口をぱくぱくさせながら
「そ、それより、お.王子て?誰?」
不覚にも声が震えてしまった。


「え~知らないのぉ~女の子の中では王子て呼ばれているの。緑組の


"井吹ノエル"」


イブキ、ノエル ミドリグミ

壊れた蓄音機のようにそのフレーズが頭の中でレコードとして回っていた。
放心状態の俺をよそに、恋する少女のように"伊吹ノエル"こと"王子"の話を熱く語っていて、しまいに"私の事好きなら王子と一緒に遊べるように協力して"なんてストレートパンチをかまして、友達の所に風のように去って行ってしまった。
……ジャブでも倒れているつーの。



頭を現実に戻して俺は緑組へ向かった。
緑組のドアをバンッと勢いよく開けると、「たーのーもー!伊吹ノエルはどこだー」と叫んだら、緑組の先生にドアは静かに開けなさいと怒られてしまった。みんなが爆笑している中
「……なんかよう……」と冷めた目付きで俺を眺めてきた。
「お前に決闘を申し込む!」


「なんでお前と決闘なんかしなきゃなんないだよ。」


「男のプライドをかけてだよ!」

教室で遊んでいた友達も先生も呆気にとられた様子でいた。

「意味不明だけど、男のプライドて話ならしてもいい、かな」と王子は不適な笑みをもらしながら「なにで勝負するの?」て余裕綽々で俺を聞いてきた。

「じゃ二重とびだな、連続何回できるか勝負だ」

王子はわかったといって「今縄跳び家だから明日な」と残して友達とさっきまでしていたトランプ遊びに戻っていった。