俺も学ランを着てコートを羽織った。
支度を整え、足早に学校へ向かった。

外はまだ雪が降っている。
慎重に歩きながら学校近くまできた。

「うわっ!!」とかなりの声がでてしまって学校に向かう生徒達にじろじろ見られてしまった。背中に急な冷たさ感じたからだ。後ろを振り返るとノエルが口に手を当てながら笑いを堪えていた。

「おいっ!バカ、背中に雪入れんじゃねぇよ」
「てか、メールで『背中きおつけて』て」
「あほか、『背中』しかなかったぞ」
俺は右手を背中に回しカッターシャツと学ラン、コートをわしずかみにして背中に残った雪を出していたら、それくらいわかれよ、とノエルが目を細めて口を吊り上げていた。

「後でオメーにもいれてやるよ」地面に積もった雪を片手ですくいあげると、まぁ~無理だなと鼻で笑って俺の前をスタスタと歩き「遅刻すんぞ」と振り返り様に雪をでこに当ててきた。
ノエルはバスケット部で小学生から地域のクラブに今も所属し社会人と混ざって練習している。
中学二年生にして身長が189㎝あるノエルは父親の遺伝子を受け継いでいる。
父親はアメリカ人でノエルよりも身長が高い。数回会ったことがある、薄いグリーンの目の色をしていて、髪の色はブロンド。切れ長な目のかたちをしていた。アメリカでアメリカンフットボールを学生時代していた面影が体格にも現れていた。ノエルは父親似だ。
だから、大学生や社会人とバスケをしていてもなんらそんしょくはなかった。
普段は飄々としていて人をおちょくるのを生き甲斐にしてるやつだがバスケとなると人が変わったように顔つきが変化する。
冷静さを保ってるようにも見えるが内側に熱い闘志は目は鋭くさせている。
俺が思うには学校中で一番カッコイイ奴。 ムカツクけど。

雪をでこに仕留めるのは腕がいい証拠か?……にしてもやられっぱなしも腹がたつ。