まだ暗いうちにうっすらと目が覚めた。まだ覚醒していないが部屋の寒さは感じられた。いつもより肌にくる寒さ。布団から少し手をだして携帯の時間を覗いた。時間を見る前にスマートフォンのディスプレイにメールの通知が示されていた。

寝る前に携帯触らず寝たんだ。相手の確認しようとしたが今返信しても相手も寝てるだろとメールは開かなかった。

きっと友達の他愛ない内容のメールだろうし… てか寝みいし。
布団を乱雑にかけ、少し寝かかった時に部屋のドアが開くのがわかった。
そして直樹の部屋の隅に移動し少ししゃがみこんだ。そして立ち上がり足音立てず直樹の部屋を出ていった。
数秒後寒かった部屋が徐々に暖かくな
ってきた。

母さんが暖房をつけてくれたんだ。
眠気がきていたのだが、なんとなく目が覚えてきた。ベットから起き学習机の前にある窓に手をやりカーテンを開けた。




雪だ。

辺り一面白い世界になっていた。まだ雪は降り続いていた。風はなく空からボタユキが隙間なく降り注いでいた。
直樹は少しながら興奮した。年に数回あるかない雪だからだ。直樹は少し窓を開けた。
…………やっぱり、さぶっ!

肩は隆起して体はちじこまり黒いスウェットズボンのポケットに手を入れた。
鼻をツーン刺激する寒さ。はぁ~と息をだすと煙草の煙をだしたような白いもや。
見慣れた街並みは無音だ。耳が聴こえなくなったと錯覚するくらいに。

___あー。
自分にしか聞こえないくらいの音量で声を無意識に発していた。
何やってんだ、俺。と呟きながら頬はほんのり紅くなり少し長く伸びた茶色の髪をわしゃわしゃとかいた。