システムベッドの二階で仰向きになりながら左膝を曲げ今クラスのノエル達と熱中しているPSP ゲームのレベル上げに指が止まらない。


今日はアイテムもレベル上げだいぶノエルよりもいっちゃってるよな~。右手の人差し指と親指で薄く笑った自分の頬をさすった。あいつは負けず嫌いだから悔しがる顔を想像すると喉が鳴るな。

ゲームに没頭しているが頭の一部は冷静だ。
漫画の本や高校受験対策本の本棚に男の部屋に似合わないヒヨコ型置時計に眉間にシワを寄せながら針をみる。


………23時59分………

一旦ゲームを中断し寝そべる頭上に自分のお気に入りの洋楽ロックをオンにしてヘッドホンを用意した。


そしてまたゲームに意識を戻した。

数分後………ガチャリと、玄関の扉を開く音がした。少しの沈黙の後……

「ねえ!!あなた!何で毎晩毎晩遅いのよ!聞いてるの!!」母の言葉が苛立ちと興奮で会話が荒々しくなる。

「はぁ~仕方ないだろ?仕事も接待の内だろ。俺だけ早く帰ります、なんて無理だよ。」と父は答えてわかってくれよな?と父は母を軽くあしらっていた。
母からしたらそれが気にくわないらしく

「直樹に悪影響だわ!!」