湯舟に二人で入りながら、今日1日の出来事を話す。

「明日さー保育園のやつと決闘するんだ。」
父は驚いた顔して、「喧嘩はいけないよ」と諭してきたので
「違うよ、縄跳びをするんだよ」
父は両手で顔をぬぐって、「なんでそうなったの?」と。

俺は赤面した。考えてみたら、瑠奈ちゃんに振られた腹いせみたいなかんじであいつに勝負挑んだから。
そんなくだらない理由は父には口が避けても言いたくなかった。
黙っていると「直樹から決闘?しようって話になったのか?」
首を頷かせると「いい友達じゃないか」て優しい笑みを浮かばせながら、頑張ってなと俺の頭をポンポンと叩きながら、先にお風呂を出ていった。

狐につままれるようなかんじに、なった。あいつがいい友達??


訳わかんねわーと発した言葉がお風呂の中で虚しく響いた。


がむしゃらに動いたせいで、体が鉛のように重い。
布団に入るなり、体が空に浮いてる感覚に陥り深い眠りについた。




この時は父が仕事から帰ってきてすぐにお風呂に入る意味なんて幼い
子供の頭では考えてもつかなかった。