『私に愛なんていらない。』そう思ってた。
貴方に出逢うまでは…

今日から藤波高校の転校生として学校に行く私は、高校1年の零川　愛。前の学校でいじめにあっていた私は両親には「いじめられていた」なんて言えず、ただ不登校になった私を両親が藤波に転校させた。ただいい子になってほしくて…

「今日から転校生がうちのクラスに来ることになった。」
担任が私に合図を出した。重たいドアを開けると、クラスの皆からジロジロと見られた。
「初めまして、零川　愛です…」
緊張の中挨拶をする。
「零川の席は、華実の隣な」
担任に言われたところに行くと華実と言われためちゃくちゃ顔が整った美青年がいた。髪は明るい茶色に左の耳にはピアスを２つしていて、顔は、ジ○二ーズよりもカッコイイイケメン君。
「俺、華実　柚樹。よろしく」
可愛らしい笑顔で華実君が私に話しかけた。
「愛、だよな。いい名前だな」
私は愛という名が大嫌いだった。ずっと本当の愛を貰えずに、偽りの愛を両親が注ぐことが私は嫌だった。そんな名前を華実君が褒めてくれるだけでなぜか、とてつもなく嬉しかった。
その時は知らなかった。その気持ちが恋だと言うことを…