「まあまあ、琴穂。こんなに大きくなって。疲れたでしょう、お入りなさい」 ゆっくりと微笑むおばあちゃん。 庭にある小さな池を横切り、私は縁側から家へ上がった。 おばあちゃんの前に立つと、大分背が伸びたと感じた。 頭一つ分くらい違う。 「おばあちゃん、久しぶり」 「ほんと、久しぶりだねえ」 こんなにゆったりと時間が流れるのはいつぶりだろう。