駅から30分ほど歩くと、古くて大きな家が見えて来た。 築数十年というところだろう、木造の平屋だ。 木の壁は黒々としている。 窓が開け放たれていて、縁側もよく見える。 そこには、おばあちゃんが座ったいた。 「おばあちゃん!」 私は思わず走りだす。 「琴穂かい?よく来たねえ」 おばあちゃんはにこやかな笑顔で迎えてくれた。