早朝の電車は、思ったより人が少ない。 同じ車両にいるのは、おじいさんが1人。 外は結構明るくなってきている。 電車はすごいスピードで私を連れて行く。 周りからはどんどん音が消えていく。 途中でとまった駅で老夫婦らしき人たちが入ってきた。 ゆっくりと流れていく時間。 普段の慌ただしい生活を忘れさせる。 心が軽くなっていく。 気付けば、私は眠っていた。 「お嬢さん、終点ですよ」 「ん…え?あ、はいっ!」