「ひよりー、電話よおー!」



一階からお母さんのバカでかい声がして、家デンに電話とか珍しいなーと思いながら下りて行くと。
受話器を握るお母さんの顔が、やけにニヤニヤしている。



「アイダくんって、男の子からよ」


……アイダ?

あ、相田??
る、る、る、る、瑠樹亜!?

び、びっくりしすぎて心臓飛び出そう。



「も、も、も、もしもし……」


ニヤニヤ顔のお母さんから、あたしは恐る恐る受話器を受けとる。


「携帯番号、教えて。

挨拶して名乗るのとか、めんどくさい」



あ、はい。
そうですよね。

名乗るまでもなく、この俺様な言いぐさは瑠樹亜に違いない。

あたしのスマホの番号を伝えると、数分後に知らない携帯番号から着信があった。



うわあ、どうしよう。
まさかのあたしのスマホに瑠樹亜からの着信!!

瑠樹亜の携帯番号ゲット!!!



「は、は、はい!」


「声でかいんだけど」


「あ、ごめ……」


「今から来れる?」


「は、あ、う、うん」


「駅前、カフェ、テラスハウス」


「あ、あ、あの、木造のお洒落な建物だよね?」


「3時に。章江も来るから」


「あ、は、はい」



それだけ言って電話は切れて。
あたしは時間をチェックする。


って、え?
もう2時回ってんじゃん!?

3時に駅前とか、マジ!?