「み、美山さん。
ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと、待って?」


やっと出た声は、どもってる上に、かすれてる。



「そんなこと、な、なんで……」



なんであたしに、話すの?

瑠樹亜の、大事な秘密を。
どうしてそう、簡単に。


「瑠樹亜が、二谷には、お前の口から、話しておけって」


「はえ?」


「瑠樹亜が」


「な、な、な、なんで瑠樹亜が……」


「あいつを仲間にするって」


「へ?」


「二谷さんを、私達の仲間に」



……仲間?

いやいやいや。
こめんなさい。

意味がわからないです。

美人の言っていることが。
美男子の考えていることが。



「二谷さんに、協力してほしいの」



真っ直ぐな瞳で、美山さんがあたしを見詰める。

あの、いつかの保健室で。
天井を見上げていた、綺麗な綺麗な瞳で。