幸せな『瑠樹亜としおり時間』は、その後も数回、設けられた。
その度に瑠樹亜は命令口調であたしに指示を出し、あたしはそれをニコニコして受け入れる。
(今ではクラスの名物にさえなりつつある。瑠樹亜が二谷を従えてる、と)
結局、形だけの農業用資料を少しだけ加え、あたし達グループのしおりはほぼ完成した。
あとはそれを人数分コピーし、冊子にする作業が残っているだけ。
と、それを予定していた日に限って、瑠樹亜が学校を休んだ。
放課後。
あたしはのんに頼んで一緒に残ってもらっている。
今日は金曜日だし、もうすぐ期末テストだ。
今週中に仕上げてしまいたい。
(と言うか、一応今日が締め切り)
「ああ、二谷。
しおりの枚数が一枚足りないみたいだけどどうした?」
担任にコピーを頼んで、仕上がりを待っていると、その担任が慌てて職員室から戻って来た。
「ほら、4ページから7ページに飛んでるだろ。
5、6ページが抜けてるみたいだが」
「あ、ほんとだ」