「第一、しおり作成ついでに生徒に農業の勉強でもさせようって、担任の魂胆がミエミエ。
やる気にならない。
こっち側の予定だけを明確にしておけば、あとは現地でいくらでも臨機応変に対応できる。
稲刈りの歴史なんて調べて、しおりにまとめて、なんの役に立つわけ?
そんなのはこっちで調べなくても、農家のおっちゃん達が、実体験交えて教えてくれるんじゃないの?
そんために行くんだから」
「……そっか」
「僕たちのやることは、それなりの計画を立てて、それを紙面にするだけ」
「しめん……」
「しおりにするってこと。
そのための、しおり係。
分かったんなら、僕たちが泊まることになってる農家の住所から、地図で照らし合わせてみて」
「……はい」
「そこから、自由時間に使えそうな場所を探すの。
三日目、自由時間あるでしょ。
その時間を何で埋めるか、 まずはメンバーと、話し合わなきゃでしょ。
班長に連絡して」
「あ、うん……」
テキパキと指示をする瑠樹亜。
言いなりなあたし。
ちょ、ちょっとちょっと。
むしろ瑠樹亜に班長の素質があるんじゃないの。
なんなの。
その決断力と統率(引率)力。
かっこよすぎるんだけど。