それからのんとは仲良くなった。

のんが居てくれることで、教室にはあたしの居場所ができた。

放課後も一緒に過ごすようになった。


あたしを無視したグループも。
あたしが所属していたはずのグループも。
男の子達も。

のんが一緒なら、あたしを受け入れてくれるようだった。


のんはあたしの恩人なのだ。
のんがいなければ、あたしは本当にあのクラスから消えてしまっていたかもしれない。


「いじめって、そういうの、下らない。

わたしはそういうの、好きじゃない。

ひよがクラスで浮いてるのは、すぐにわかったよ。

でも何でなのか、わからなかった。

ひよ、いい子そうだし。

不潔とかじゃないし。

勉強だってできるしさ。

話してみたいなって、思ったの。

みんなとは違う感じ。

ひよには、オーラみたいなのが、あった」


のんはいつか、そう言って笑ってくれた。



オーラがある。
そんなことを言われたのは初めてだし。
あとにも先にも2度と言われることはないと思う。